ランナーに多い腸脛靱帯炎
腸脛靱帯炎とは?
DAI sports 鍼灸整骨院です。
今回はマラソンランナーに多い腸脛靱帯炎についてです。
まず腸脛靱帯とは、お尻の筋肉から膝に向かって脚の外側に存在する長い靱帯です。
2足歩行の人間にとっても立っている姿勢を保つ為にも大事な靭帯なんです。
この靭帯が膝の外側にある骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)と摩擦を起こすことで炎症を起こしてしまいます。
スポーツ障害の中でもマラソンランナーに多いことから『ランナー膝』とも呼ばれています。
原因
膝の屈伸によって、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆の上を前後に乗り越えるのことにより発生するオーバーユースです。
摩擦が起きやすい原因として
- 腸脛靭帯の硬さ
- 股関節(臀筋)の硬さ
- 脚のアライメント不良
- 臀筋の筋力低下
などが挙げられます。
単純に腸脛靭帯が硬かったり、臀筋が硬く股関節の可動域が悪いと、膝の屈伸をするときの腸脛靭帯の動きも制限され、ランニングやジャンプ動作の繰り返しにより摩擦力が大きく加わってしまいます。
膝がO脚傾向だと、外側に体重がかかるので摩擦力の強くかかる原因になります。
腸脛靭帯は立っている姿勢を保つ為に必要な靭帯なのですが、臀部の筋肉(大臀筋・中臀筋)も非常に大事です。
運動不足の人や、長時間のランニングで疲労による筋力低下を起こした場合、腸脛靭帯が筋力のカバーをして、余計に摩擦ストレスを受けやすくなってしまいます。
症状
●運動時痛
多くは運動中・運動後の膝外側の痛みです。
炎症がひどいと腸脛靭帯の沿って上の方まで痛みが広がることもあります。
膝の屈伸時のみ痛みが出る軽度なものから、安静時にもズキズキと痛み屈伸動作ができないものまで痛みの程度は様々です。
●圧痛
膝の外側に触れる骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)を押すと痛みが確認できます。
※膝外側の下の方に腓骨頭と呼ばれる骨の出っ張りがあるので間違わないように注意。
予防・対処法
まずは腸脛靱帯炎にならないように予防することが大切です。
脚のアライメントなどが多く原因になっている場合は、そのアライメントの崩れに合わせたアプローチが必要になってくるのでここでは割愛します。
アライメントに関係なく行って頂きたい基本的なストレッチやエクササイズをご紹介します。
○臀部のストレッチ
①股関節が硬い方は座った状態で行ってみましょう。
片膝に足部を乗せて股関節を広げます。
②余裕がある方は伸ばす側を前に出し、身体より外に膝を広げます。
膝に角度をつけるとよりストレッチがかかります。
○股関節内旋ストレッチ
股関節を内に捻るように逆側の足を膝に乗せて倒します。
この時骨盤が浮きすぎて上半身が傾かないように注意しましょう。
○中臀筋トレーニング
横向きで寝た状態から、上側の脚を上半身に対して真っ直ぐ伸ばし、上に持ち上げます。
お尻に力が入っている感覚があればそのまま上げ下げを10回繰り返します。
※悪い例
骨盤が開いてしまったり、股関節で前に脚が曲がってしまっていたり、つま先が上を向いてしまうと、違う箇所に力が働いてしまいますので注意が必要。
まとめ
腸脛靱帯は身体にとって非常に大きな役割を果たしてくれる靱帯です。
身体のバランスが崩れると、腸脛靱帯が代償を払ってより活動することになるので、そうならない為にも日頃からメンテナンスを続けてみてください。
アライメントの崩れは人それぞれ原因が存在します。
痛みがなかなか引かなかったり、自分の身体が気になる方は一度ご相談ください。