ハムストリングス肉離れの復帰目安は?
Contents
まずはじめに
今回はモモ裏の筋肉のハムストリングス肉離れの復帰目安についてご紹介していきたいと思います。
簡易的なものと、MRI診断をもとに肉離れの損傷程度が分かった上での目安になります。
少し専門的な用語も出てきますが是非ご覧ください。
ハムストリングスのセルフチェックについても以前にアップしておりますので、
一緒にご覧ください。
ハムストリングスって?
ハムストリングスは太ももの裏側にある3つの筋肉(計4本)の総称です。
骨盤から膝関節まで筋肉が走行しています。
外側ハムストリングスの
- 大腿二頭筋(長頭・短頭)
内側ハムストリングスの
- 半腱様筋
- 半膜様筋
から構成されています。
股関節を後ろに引いたり、膝を曲げる作用があります。
ハムストリングスの肉離れ
ハムストリングスの肉離れはスポーツをしていると比較的起こりやすい怪我の一つです。
きっちりと治療を行い、スポーツ復帰まで段階的にリハビリを行わないと再発のリスクが非常に高い怪我でもあります。
肉離れのパターンは2つ
- ストレッチタイプ
ストレッチタイプは、脚を大きく伸ばしたときや、足を滑らせて強制的にハムストリングスを伸ばされたときに起きやすく、
半膜様筋を損傷することが多いとされています。
- スプリントタイプ
スプリントタイプは、速いスピードで走っているときに起きやすく、
大腿二頭筋を損傷することが多いとされています。
重症度と復帰目安
簡易的な重症度の見極め
肉離れの程度はMRIにて判断を行うが最も望ましいのですが、簡易的にも重症度と復帰目安を立てることができます。
○仰向けで寝たまま、自分で膝裏を抱えて伸ばせるところまで膝を伸ばします。
この時の怪我をしていない方との左右差を約10度刻みで確認します。
左右差が30度以上あると重症度も非常に高くなります。
- Grade Ⅰ:6.9±2.0日
- Grade Ⅱ:11.7±2.4日
- Grade Ⅲ:25.4±6.2日
- Grade Ⅳ:55.0±13.5日
MRI診断をもとに重症度と復帰目安
ここではMRIによる重症度と復帰目安について有名な『奥脇による分類』を用いて紹介します。
●『奥脇による分類』
- Ⅰ型:筋線維部、筋周膜周辺の損傷
- Ⅱ型:腱膜、筋腱移行部の損傷(横断面で損傷度に応じて1度、2度、3度に分類)
- Ⅲ型:筋腱付着部から腱性部
【復帰までの期間】
- Ⅰ型:1.6±0.7週
- Ⅱ型:4.9±3.7週
- Ⅲ型:22.1±11.9週
まとめ
ハムストリングスの肉離れはスポーツをしていると、発生しやすい怪我の一つです。
なかなか怪我をしてすぐにMRIを撮影してもらえる環境に居ない方のほうが多いかと思われます。
ですが、損傷程度によってはしっかりと程度を把握して、治療から復帰時期までを見定めていく必要があります。
治療が中途半端になったり、復帰時期を誤って再発するケースも珍しくありません。
肉離れを起こしてしまっても、適切な治療、適切な復帰時期を見定めて調整していくのが一番の近道だと考えています。
少しでもお怪我をされた方のお役に立てることを願っております。